これで「子ども真ん中」か・・・付き添いが必要な子どもの通学

多摩中央公園近い桜美林大学。老朽化した建物を取り壊す光景が、歴史の流れとともに、今現実に起きているガザやウクライナの戦争の悲惨さを想い起こさせます。開催されているパリオリンピックは環境配慮、後年度負担を残さない街全体を会場とした開会式と、まさにフランスという国家のSDGsへの姿勢を世界に知らしめましたが、それとともに戦禍にある人々への励まし、世界の平和を希求する強いメッセージが胸に残りました。

さて先日、障がいのあるお子さんの保護者から会派でお話をうかがいました。情緒障がい、知的障がいなどのクラスは各学校に常設されてはいないため、離れた学校への登下校の移動支援と、朝を含むサードプレイス(家でも学校でもない居場所)の充実を求めていました。障害者総合支援法による「移動支援」は、社会生活上必要不可欠な外出、社会参加のための外出を目的に…とあり、子どもの通学が適用されないのはおかしいとの指摘が絶えません。働く保護者の中には、子どもの登下校の付き添いが職場選択の制約につながったり、仕事に出かけるのが早い場合は、自腹で付き添いを頼むケースもあるようです。

多摩市教育委員会は、生活者ネットワークの指摘により、保護者の病気やケガの場合は移動支援が使えるとしましたが、子どもが教育を受ける権利、子育てと仕事の両立、保護者の負担軽減など、子どもを真ん中に社会を見直す流れの中で、この要件は必要でしょうか。

ただ、市側の取り組みには時間がかかることが予想され、「もしかすると、今、3、4年生のお子さんは小学校を卒業してしまうかもしれません」。つい、そう口してしまった時、その保護者は目を潤ませ「いいじゃないですか。10年、20年先にでも変わるのであれば頑張りたい」と答えました。この社会のどこが「子ども真ん中」なのか…。考えさせられるとともに、こちらが勇気をいただきました。