子どもや若者が抱えている事情を自ら発信する難しさについて~子ども権利条例がつなぐもの~ヤングケアラーの視点
1.ヤングケアラーの視点
ヤングケアラーとは10代、20代といった若い世代でありながら家族を介護する人のことです。問題なのは、彼らの役割や責任が年齢に不釣り合いでも、家族が大変なのが分かるためや、自分や家族の状況を他人に知られるのが恥ずかしいなどから誰にも頼れず孤立し、勉強、クラブ活動、就活、就職などに支障をきたし、その世代ですべき経験が出来なくなることです。
このようなことにならないために、義務教育期間に学校でヤングケアラーの知識を学び、それは人権侵害なのだから話すよう指導されるべきです。又、市民への啓発やケアマネジャー、ファミリーサポートセンター、医療機関など、職員の研修をすべきではと質問しました。 市側は必要な支援を受けるための手立てを学べるよう取り組む。啓発は重要と考える。勉強し研修にも取り組みたいとの答弁でした。
2.多摩市いじめ防止対策推進条例の視点
国のいじめ防止対策推進法に則った多摩市いじめ防止対策推進条例は、防止というよりいじめの重大事例対処の条例になっています。法の第十五条 には、「・・心の通う対人交流の能力の素地を養うことがいじめの防止に資する」とあります。子ども権利条例で、この部分を活かした子どもがエンパワーされる相談し易い仕組みづくりを記載することが、いじめの防止、ヤングケアラーの防止、様々な子どもの人権擁護になります。
残念ながら、市長は現時点では「子どもの権利条約の精神に基づきつつ、今後市としての考え方を整理していく」に留まっていますが、引き続き主張していきます。