マスクなしの卒業式
桜の花もちらほらの3月17日、多摩市内の公立の中学校で卒業式が行われました。来賓として、地域の中学校に参列させて頂きました。
卒業生が入場するのを拍手でお迎えした途端、涙が溢れ出しました。彼らは、小学校の卒業式もままならず、中学の入学式は校庭で行い、入学すれば緊急事態宣言で休校となり登校もできなくなったのです。当時はタブレットの支給もなく、学びも止まり、友だちと話したり学校や部活が始まり出した頃には、そろそろ秋の気配だったのではないでしょうか。
大きな行事の中止は当たり前で、黙食やマスク生活が常態化した中学生活でしたでしょう。それでも子どもたちはこの3年間、笑い、時に挫折しては前を向き、晴れやかにこの日を迎えました。
今日、ほとんどの卒業生は、ようやくマスクを外しての参列です。私もこのような場所でマスクをしないのは久しぶりでしたが、ぐしゃぐしゃの顔を晒してようやく人間らしくなれた気がしました。時間は後戻りできませんが、年齢、性別、地域関係なく、これだけ、すべからく同じ経験をさせられたと思うと、改めて、ここからの時間はおとなの責任、政治の責任だと感じます。
どんな役職、立場であっても同じ経験をしたのです。卒業し、新しい一歩を歩み出す彼ら彼女らに、何かあってもあなたはひとりじゃないよ、かけがえのない存在だよとのメッセージを送り続けなければならないとの思いを新たに、式典を後にしました。