子どもたちにとって、信頼できるおとなとは

 2023年も残すところ2週間となります。

 コロナ感染症はインフルエンザと並ぶ扱いになり、人に会う、対面で人と話すことが普通と感じるようになりましたね。

 そんな中、中学生の新聞の投稿が目にとまりました。「いじめを見たのに見て見ぬ振りをした。止める勇気がなかった。恐怖に負ければ、自分もいじめられている人も救えない。勇気を出してやめさせるのが僕たちの義務だと思う。」と結ばれていました。

 私たち社会はあなたに勇気を出して欲しいけれど、それはいじめをやめさせる勇気というより、誰か、信頼できるおとなに相談する勇気です。しかし、それは難しいことなのかもしれません。

 今月から警視庁が週末に実施する歌舞伎町「トー横」の一斉補導では、これまで3回で小学生を含む1219歳の29人が、都青少年健全育成条例に基づき補導されました。

SNSでここを知り「話を聞いてもらいたい」と地方から一帯を訪れる子どもは少なくないそうですが、地域の人々が絶えず子どもたちのことを気にかけているのに、子どもたちは身近なおとなを「信頼して相談できるおとな」と思えていないのでしょうか。

「知らない人とは話さないように」と学校でも地域でも教えられてきた子どもたちが、矛盾に惑いながらも、自分の悩みを知ってほしい、寄り添ってほしいと求めているのだとしたら。

 私たちは、もっとずっと真剣に子どもたちと向き合い、その声を聴く努力を求められていると痛感しています。