子ども真ん中社会とは

 多摩市の子ども若者の権利を保障する条例が施行され、今年度が3年目。「子どもの権利」をみんなが認め、子どもを真ん中にしたまちづくりを進める必要を改めて感じています。

 さて、穏やかな天気の下、桜が満開の中で小学校の入学式に参列させて頂きました。ご入学なさった新一年生の皆さん、ご家族の皆様、おめでとうございます。

 ところで、入学式では市長や教育委員会からの祝いの言葉が語られます。「友だちをたくさん作って楽しく」や「あいさつをしましょう。」と、今年もやさしく新一年生たちに語りましたが、主体者である子どもの立場からすれば、友だちをつくる、つくらないは自分自身が決めることです。

 あえて条例を制定した市長には、子どもたちに対して、自分を一番大切に考えてゆっくりとまわりとの関係を築いていけばいいということを語っていただればよかったなと感じました。

 ともだちつくりましょう、あいさつしましょう、返事しましょう、と子どもたちが言われれば、初めて子どもを小学校に通わせる保護者に、そうだ、もう小学生なのだからと、そちらをも追い詰める可能性はないでしょうか?

 一方、学校は「祝電」を廊下に「掲示」しているので見たい人は見れますと子どもたちに伝えていましたが、礼と号令がかかれば頭を下げると教えられ、下げたところで次は、いつ頭を上げていいかもわからないピカピカの小学一年生です。そもそも祝電、掲示の意味がわかるのでしょうか?入学式の当事者であり主役の彼ら彼女らに対する配慮が必要です。入学式のその日から、彼ら彼女らには、自分がこの場では主人公だと感じてもらうことを最も大事にするべきなのです。

 入学式は、忙しい保護者にとっても学校に足を運べる貴重な一日。保育園や幼稚園と同じように、小学校も子どもたちを大切に考えてくれているなと安心してもらいたいなと、桜を眺めながら感じずにいられませんでした。

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